2018年4月12日、AmazonFBA倉庫に納品するための配送便「FBAパートナーキャリア」の料金値上げが発表されました。5月7日から新料金に改定実施となります。
ここのところのAmazon手数料連続値上げに、あれやこれやと対策を講じているせどらーの皆さんも、さすがに今回は「激おこ!!!」という感じで、あっちでもこっちでもこの話題で持ちきりになっています。
FBAパートナーキャリアが値上げになるということで、この後どこの宅配サービスを使って納品したら良いのでしょうか?今後の納品方法の行方について、調べてみました。
パートナーキャリア料金値上げ!実質いくらになるのか?
FBAパートナーキャリアは、郵便局のゆうパックを使った配送方法ですが、Amazonの倉庫に納品することを前提としていて、送料は通常のゆうパック料金よりかなり抑えた金額で設定されていました。
私は関東在住ですが、関東⇒大阪FC宛の場合、120サイズ30キロ程度の箱=851円という、かなりの激安料金!
関東⇒小田原FCでも、関東⇒大阪FCでも同一料金だったという。ちょっと安すぎじゃない?大丈夫!?と思ってしまうくらいでした。
ですが、今回の改定で、大幅に送料が値上げになることが発表されました。
どのくらい値上げになるかというと、通常のゆうパック送料と同じ送料!!になります。
つまり、851円だったのが、1,410円になってしまうのです。しかも、重さは25キロまでという制限つきです。
もはや、全然パートナーキャリアじゃありませんね(-_-;) この改定は、私たち古本せどらーのみならず、他どのジャンルのせどらーさんにとってもかなりの痛手です。
Amazonは、去年から今年の一月まで、パートナーキャリアの送料を無料にするという大変太っ腹なサービスを行っていましたが、今回の改定で、あっという間にその分がチャラに…!こうなると、今回の値上げを視野に入れた無料サービスだったのでは!?と勘繰りたくなるのも、無理ないことですよね(-_-;)
パートナーキャリアの代替え便はどこが安い?
そうはいっても、せどらー側としては、Amazonへの納品をやめるわけにはいきません。
ここで、パートナーキャリアに代わるAmazon倉庫への配送サービスについて、調査してみました。
CC便
パートナーキャリアの送料無料キャンペーンが終了したあたりから、せどらーの間で俄然話題となっているのが「CC便」です。
このCC便は、”コストカット便”という名前の通り、全国どこからでも160サイズ20㎏まで1箱950円で配送という、業界随一の激安サービスを謳っている配送サービス。
メリットとしては、全国どこからでも一律の送料で、安価に配送してもらえること。
デメリットとしては、一度埼玉県の倉庫に集めてからFBAに納品するため、出荷から納品まで、2~3日のタイムラグがあること。そして、20㎏までという重量制限があります。
以前は、納品できるFCも、関東7FC(小田原、川島、川越、八千代、市川、八王子、GLP吉見)と関西3FC(堺、大東、藤井寺)に限定されていましたが、FBA納品先固定がなくなることが発表されたため、この対応として他地区の13FCが新たに追加になったそうです。
個人的に一番問題視しているのは、昨年末に全国一律160サイズまで300円~というキャンペーンを実施した際に、利用希望者が殺到してしまい、しばらくの間受付をストップするという事態が起こったこと。
翌1月にはパートナーキャリアの送料無料キャンペーンの終了が発表されていたこともあり、倉庫に荷物が集まりすぎて、パンク状態になってしまったそうです。
現在は新規受付も再開しているようですが、今度のパートナーキャリア値上げで、また1月の二の舞になることが考えられ、安定して使えるかというと、ちょっと疑問符がつくという感じです。
利用していられる間は問題ないけれど、何かのタイミングで使えなくなり、また他の安いサービスを探して右往左往する事態が頻発するのでは、と考えると、その時間のロスの方が問題かなあと思ってしまいます。
また、「安いには安いなりの理由がある」とすれば、どこかにそのひずみが溜まっていくということですよね。
CC便の運営母体は、元々Amazon支援事業を5年間手がけていた会社だそうで、システムはしっかりしているようですし、ぽっと出ではないにしろ、これだけ大量の数をトラブルなくさばくのは、かなり大変なことだと思います。
それから、この記事を書くにあたって、現在新規の受付をしているのかどうか、CC便に電話をして聞いてみようと思ったのですが、一度目はつながらず。二度目につながって質問したところ、「担当者不在なので、折り返しでよろしいですか?」という返答。
その後子どもの用事があって電話には出られないため、「こちらからまた掛けますので、いつ頃お戻りですか?」と聞いてみたのですが、それは分からないというお答え(-_-;)
うーん、新規の受付をしているかどうか、電話担当の方が答えられない状況というのも、どうなのかな~と思ってしまいました。
このようなこともあり、昨今の流通業界の問題点を鑑みるに、安定して使えるようなら利用も考えますが、安いからと言って安易に飛びつくのもどうかなあ~、というのが私個人の見解です。
ですので、CC便に関しては、今後の動向を見守って、その上で利用するかどうかの選択をしたいと思っています。
特約ゆうパック
次に、郵便局の特約ゆうパックですが、以前は一般のゆうパックと比べて安い料金で契約してもらえたのですが、去年の流通業界宅配料値上げ騒動のあたりから、個人一般で特約料金の契約を結ぶには、条件がかなり厳しいものとなってしまいました。
我が家も以前は契約していたのですが、パートナーキャリアを利用し始めたこともあり、ゆうパックの発送数が契約の下限個数に満たないことがわかっていたので、契約を停止してしまいました。
仮に特約ゆうパックの契約を結べたとしても、年度末に出荷個数を算出され、下限個数に満たなかった場合は、契約終了を通告されます。その他のことは意外とアバウトな郵便局ですが、こと契約個数に関しては、かなりシビアな局もあるので、注意が必要です。
ですので、定期的に毎日のように納品、というペースで作業できる場合ならともかく、主婦の副業で週に1~2回ちまちま出している程度だと、この個数をクリアするのはなかなか厳しいと思います。
この契約個数は、取り扱い郵便局によって異なりますが、年間最低200個くらいのところからあるようです。私が最初に特約ゆうパックの契約をしたときは、年間240個以上だったので、もう少し少なくて良い地域もあるんですね。
我が家は、去年の料金改定の際、パートナーキャリアに移行してゆうパックの契約はしないつもりだったので、最新の料金表は持っていないのですが、知人のせどらーさんに教えてもらったところによると、東京⇒小田原FCに120サイズの箱を納品する場合、1,340円程度の送料ということでした。
この料金、もはや全然特約じゃありませんよね~(-_-;)
残念ながら、郵便局は今後、小口の個人顧客とは積極的に取引する意思がない、ということになりそうです。
ヤマト便
それから、パートナーキャリアサービス開始前より、「ゆうパックの特約よりも安い!」と評判だったのが、ヤマト運輸のヤマト便というサービスです。
これは、通常のクロネコヤマトの宅急便とは全く異なり、大型の荷物を運んでもらう専用のサービスで、料金の算出方法も独特です。
ヤマト便の配送料金算出方法は、基本的に荷物の総重量と届け先のエリアによって決まります。
その際に基準となる重量ですが、
- 計測した「実重量」
- 容積換算で算出した「容積換算重量」
という2種類の重量を算出し、いずれか重い方の金額を採用ということになっています。
この「2」の”容積換算重量”というのは個別の計算式がありまして、
縦〇〇メートル × 横〇〇メートル × 高さ〇〇メートル × 280=容積換算重量(㎏)
というのがその計算方法です。
ですので、この両方の数を出して、重たい方の料金が採用される、ということになります。
説明だけだとちょっと分かりにくいかと思いますので、実際の例を挙げて計算してみましょう。
※120サイズ=縦40cm×横40cm×高さ40cmとして計算
(1)実重量
合計120サイズ、25kgの料金⇒30㎏以下
(2)容積換算重量
0,4(m)×0,4(m)×0,4(m)×280=17,92㎏⇒約18kg
この場合、(1)と(2)の重さを比べると30㎏の方が重いので、30kg以下の料金を調べればよい、ということになります。
それでは、次に例1で計算したものと同じ箱を、東京から小田原FCに4箱同時に送る時の料金を計算してみましょう。
(1)実重量
25㎏×4箱⇒100㎏ (料金=3,252円)
(2)容積換算重量
18㎏換算×4箱⇒72kg (料金=2,604円)
この2つの重さを比べると、(1)の実重量の方が重くなり、こちらの料金が採用されます。
そして、これは4箱分の料金ですので、4で割るといくらになるかというと…
1箱=813円!
うーん、圧倒的に安いです。ヤマト便…!!
これだと、パートナーキャリアの送料とほとんど変わらないですね。というか、若干安いぐらいです。
ただ、ヤマト便の落とし穴は、一度にまとめて個数を送らないと安くならないということ!!
先ほど、4箱で計算しましたが、これが2箱だった場合どうかというと、
2箱50㎏の実重量の料金を採用するとして、60㎏以下の料金になるので2,604円。
1箱あたり=1,302円となります。
これだと、普通の宅急便料金と比べても、ちょこっとしか安くないですね(-_-;)
ですので、ヤマト便で送る場合は”複数個をまとめて納品する”のが、安く送るための必須条件となりますので、ご注意ください。
佐川急便
そして、佐川急便ですが、佐川さんは元々、”契約ができれば一番安く送れる!”と言われていた配送会社でした。
私も昔、「えっ、そうなの!?」とばかり、契約の問い合わせをしてみたのですが、佐川さんは個々の営業所の裁量によるところが大きく、私の地域などは全然安くしてもらえませんでした(-_-;)
それから、荷物の扱いがよくないというウワサがよく聞こえて来ますよね!
実際、うちに届いた佐川急便経由の荷物も、何度か箱がつぶれていることがありました。中身には影響なかったので、特に何もしませんでしたが、去年だけでも3~4回ありました。
そんなことが頻発している状況なので、よほど軽くて壊れない商品でない限り、ちょっと佐川さんは心配かなあ~(^^;)というのが、私個人の見解です。
ただ、営業所によっては、かなり安く契約してもらえるという話はよく聞きますので、一度問いあわせしてみても損はないかと思います。
その他の配送会社
そして最後に、その他の配送会社についです。
カンガルー便の西濃運輸さんなどは、一時期「安いですよ!」という声も聞こえてきていたのですが、去年の宅配業界騒動を見ていると、今はどこも五十歩百歩な印象です。
集荷が首都圏限定の「エコ配」などの地域限定で安く送れる配送便もあるようですので、「ここ安いよ」という話を聞いたら、まずは一度契約料金の見積もりを出してもらうことをおススメ致します。
見積もりだけなら、どこも無料で出してくれますので…!
先ほど書いたエコ配は、出荷できるサイズが決まっていて、大きなダンボールなどは送ったりできませんが、少量をすばやく納品したい時などは便利だと思います。
我が家は数年前まで、ヤフオクの出荷などにエコ配を利用していて、ほんっとに便利だったんですが、集荷地区から外れてしまい…カムバック・プリーーーズ!!!と今でもずっと思っています。お願いしますよ~、エコ配さーん…( ;∀;)
結局、どこで送ればいいの!?
以上、各宅配会社ごとに利用できそうな便について書いてきましたが、「じゃあ、結局どこ使えばいいの!?」ということですよね。
私の周りのせどらーさんは、主に3つに分かれていて
- ヤマト便
- CC便
- 特約ゆうパック
のいずれかを利用するという声が多かったです。
ただ、どの便を利用するかは、扱っているジャンルやどの位の納品数かといった条件によって変わってくるので、どれが一番良い!というのは一概には言えないと思います。
我が家の場合は、扱っている商材が重たい本であること、安定して出荷できる便が良いことを優先しますので、納品数が多いときはヤマト便、1箱しかない時は今まで通り、パートナーキャリアのゆうパックで送ろうと思っています。
今後のFBA手数料値上げのこともありますので、当面それで経費などの様子を見つつ、純利益にどのくらい影響が出るのかなど、推移を見守っていきたいと思っています。
Amazonに安く納品する方法・まとめ
それでは、今回の記事の内容をざざっとまとめます!
- CC便…160サイズ20㎏まで、全国一箱950円で納品できる。納品まで2~3日タイムラグ有。突然、荷物の受付が停止になる危険性有。※現在はサービスを終了。
- 特約ゆうパック…料金が割高に。第一地帯120サイズで1,340円程度。年間出荷個数も厳守。
- ヤマト便…120サイズ25㎏×4箱程度を一緒に納品できるなら、1箱=813円。個数が減るごとに料金が上がる。
- 佐川急便…センターごとに料金等まったく違うので、要問合せ。荷物の扱いなどに問題点あり。
- その他…全般的にどこも似たり寄ったりな印象。
- 本せどりの我が家は、数が多いときはヤマト便、少ないときはパートナーキャリアのゆうパックを利用予定
ということでした!
「この先、どの配送方法で納品すればよいのか…」とお悩みのAmazon出品者さんの参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
【追記1】
パートナーキャリア値上げ後に使える、格安ゆうパックサービスについて、こちらの記事に詳しく書きました。よろしければ、併せてお読みください!
【追記2】
CC便についてですが、その後、サービスを縮小して一部地域のみ受け付ける、ということが発表されたようです。「格安」を謳う配送便は、今後事業の継続がますます難しくなっていきますね。どのサービスを利用するにしても、導入には気をつけた方が良さそうです(^_^;)
【追記3】
その後、CC便はサービス終了を発表したという情報が入ってきました。
安い配送料で継続するというのは、やはり現場に掛かるしわ寄せが大きすぎるんですね。こんな状況は日本固有なのでしょうか?もっと抜本的な解決に向けて、流通業者はもちろんのこと、ネット販売に携わる業者全体で、視点を変えて取り組んでいかなければならないと考えています。
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