Amazonの出品者出荷で商品を出品していると、やむを得ない事情で「入った注文をキャンセルしたい」ということが出てきますよね!
操作的には簡単に出来てしまうAmazonの注文キャンセルですが、そこには大きなリスクがあります。
今回の記事では、そのリスクについて徹底解説していきます。
Amazonの注文には二種類ある
まず最初に、Amazonにおける注文の種類についての前提事項です。Amazonで入る注文には、下記の二種類があります。
- 支払いが完了していて、出品者に出荷依頼の来る「確定注文」
- 支払いが完了しておらず、出荷が確定していない「保留注文」
片や出荷要請が来ている注文と、まだ出荷の出来ない注文。
この一見全く異なるステータスの二つの注文ですが、ことキャンセルに限ってはどちらの注文も同じ扱いです。
つまり、すでに「確定」してる注文も、まだ出荷してはいけない「保留」の注文も、キャンセルをした場合同じリスクを負うことになります。
この点について、あらかじめ頭に置いてから今回の記事をお読みください。
注文キャンセルによるリスク
どのセラーさんでも、入っている注文をキャンセルしなければならない理由NO.1は、「在庫切れ」ではないでしょうか。
「きちんと管理しているハズなのに、なぜか商品が見つからない…!」
防ぐための在庫管理はしていても、商品を何千、何万と出品している個人セラーさんなら、誰でも一度は経験があるはず、商品の所在不明事件!
注文が入って在庫を確認してみて、「ない…!!!」と焦って探し回っても、やはりない。そんな時にはやむを得ずでも、キャンセル処理をしなければなりませんよね。
Amazonの規約的にも、そこは「在庫切れとして注文キャンセル通知を送って下さい」とあるのですが、そこで出品者にはあるリスクを負わなければなりません。
一体どんなリスクかというと、それがこちらの2点。
アカウントヘルスへの影響
一般的に出品者が気にしているのは「購入者からの評価」であることが多いのですが、実は購入者評価よりも、ずっとずっと大事なことがあります。
それは、Amazonがセラーの動向を数値化しているアカウントヘルス(旧セラーパフォーマンス)です。
「え、そんなのあるの?一度も見たことない!」という出品者の方も多いのではないかと思いますが、実はこれが表に見える評価よりもはるかに大切な評価数値になります。
アカウントヘルスが下がるとどうなるか?
このアカウントヘルスがどう大事なのかというと、この数値が低下すると、Amazonセラーとしての権利剥奪=アカウント削除という大問題に発展してしまう可能性があるからです。
Amazonセラーとしての権利を剥奪されてしまうと、その回復は至難の業。
ヤフオクや他のフリマアプリなどは、アカウントを削除されても何とか画策すれば再登録できますが、Amazonの再登録はそれはそれは大変です。
どの位大変なのかというと、Amazonアカウントを復活させるための専門の有料コンサル(もちろん●万円単位)を、仕事として請け負っている人がいる位。そして、その専門の人達でも登録復帰させるのには、場合によっては何ヶ月も費やさなければならないほど、大変なことなのです。
ここは本当に大事なので何度も書きますが、
Amazonで販売する上で、購入者からの評価より、いわれのない返品より、電話で掛かってくるクレームより何よりも怖いのは、Amazonセラー権利の剥奪であるということを、十分肝に銘じておいてください。
アカウントヘルス指数の確認方法
ではここで、実際にご自身の指数を確認してみましょう!
アカウントヘルス指数の確認方法は、下記の手順です。
1)セラーセントラル画面左側にある三本線のメニューを表示
2)メニューの中から「パフォーマンス>アカウント健全性」をクリック。
3)ご自身の出品者としての各パフォーマンスの現状が表示されます。
キャンセルをする際にチェックしておきたいのが、左側の「注文不良率」。こちらは目標値が1%未満。
そしてもう一つが、右側の「出荷前キャンセル率」。こちらの目標値は2.5%未満になります。
ご自身のパフォーマンスが、この数値以下なら問題ナシです。
多少越えていても、すぐにどうこうという問題はありませんが、大幅にオーバーしていて、その後も改善が見られないようだと、「アカウント一時停止」もしくは「アカウント剥奪」の原因となることがありますので、十分ご注意下さい!
アカウント削除の判断基準は
ここで心配になるのが、「一体どれくらい数値が下がったら、アカウント削除になるの?」ということではないでしょうか。
ですが、そこは天下のAmazon様。基本的にはこういったことで、はっきりしたことは一切おっしゃいません。
ですので、出品者に出来ることと言えば、
- 必ず予定通りの日数までに出荷すること
- 極力キャンセルしないこと
- 問い合わせが来たら24時間以内に返答すること
をコツコツ丁寧に守ることです。
キャンセルというのは、出品者側からすれば致し方ない事情であることがほとんどなのですが、やはり購入者様から見れば、大変不快な行為であることは事実。
極力しなくて済むように、商品管理や検品は念には念を入れつつ、徹底して行きましょう!
…と、私も自分に言い聞かせております。
購入者評価への影響
そしてキャンセルすることによる2つ目の影響が、購入者評価の問題です。
特に気を付けて頂きたいのが「保留注文」。
「支払いが済んでおらず、出荷依頼も来ていない」ことから、出品者側から見ると「注文確定前」という認識であることが多いのですが、実はこれ、れっきとした注文扱い。
つまり、購入者は出品者の評価をすることが可能なんです。
注文キャンセルは評価に影響する?
「注文キャンセル」というのは、悪い評価をもらう可能性がものすごく高い行為です。
「アカウントヘルス」が下がることに比べたら、問題としては大きくありませんが、それでも、評価の低下=売り上げの低下に直結します。
商材として本を扱っている私の経験では、
- 評価96%を切る⇒売り上げが若干下がる
- 評価90%を切る⇒ガクッと落ちる
ことが多かったです。
それなのに、「連絡もなしにキャンセルされました。評価1」なんて評価が入った日には、もう…!
ヤフオクと違って、Amazonはなかなか評価がもらえませんので、一つでも低い評価が入ると、出品商品の所に表示される「セラーの評価」に大きく影響します。この評価のパーセンテージを戻すまでの努力と言ったら…(涙)
Amazonの評価って、「100件販売しても評価1件以下」の割合なんですよ~。良い評価を貯めるの、本当に本当に大変なんですよ~。
低評価を防ぐための対策
そして、この「注文キャンセルによる低評価を防ぐために出来ること」と言うと、出品者に出来ることはただ一つ。
キャンセル前に購入者の方にお詫びのメールを送ること
もうこれ以外に出来ることはありません。
なのですが、実はこの方法、Amazonでは推奨されていません…!
以前は違ったのですが、現在のAmazonからの注文キャンセルメールは、キャンセルの原因を記載したお詫びのメールとなっているため、「出品者から送ると二重になってしまい、うっとおしいと思われる」というのがその理由(のよう)です。
ただ、これは本当に相手によりけりなのですが、
- 出品者からお詫びの連絡があって印象が良くなる場合
- Amazonからも出品者からもメールが届いてくどいと思われてしまう場合
があります。
どちらの出品者であるかを選ぶのはあなた次第なのですが、通常であればキャンセルのお詫びのメールを送って、「キャンセル通知のメールが何通も届いてしつこい」と評価で言われることは、相対的には数が少ないと思います。
ですので、おわびの気持ちがあったら、一言送ってからキャンセルした方が自分も相手も気持ちが良いのではないか、と個人的には思っています。
※ただし、Amazonの購入者さんはメールを拒否しているケースが多く、せっかく送っても届かないことも多々ありますので、その旨あらかじめご承知おきくださいm(__)m
「Amazon注文キャンセルによるリスク」のまとめ
それでは最後に、今回の記事の内容を簡単にまとめておきます。
- Amazon入る注文は、「確定」も「保留」も同じ扱い
- キャンセル前に必ずアカウント健全性を確認しておく
- 注文キャンセルにより、「アカウントヘルス」や「購入者評価」への影響がある
- 購入者からの評価が下がると、販売数の低下につながる
以上になります。
最後までお読み頂き、有難うございました(^^)/
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