「Amazon海外発送プログラムって、お得なことばかりじゃない?」と思っているAmazonセラーのあなた!
”通常のFBA手数料以外の追加費用は一切かからず
こちらの記事では、海外発送プログラムのメリット・デメリットと、私たち夫婦がプログラム参加設定をOFFにする決断に至った経緯について、実体験を元に書いております。
この記事を読めば、海外発送プログラムのデメリットを完全理解できるようになります!
どうぞ最後までお読み下さい♪
Amazon海外発送プログラムのメリット
デメリットについて解説する前に、まずは海外発送プログラムについて、Amazonが謳っているメリットを確認しておきます。
すでにご覧頂いてる方もいらっしゃると思いますが、こちらです。
この度、FBAを利用してAmazon.co.jpで販売いただ
いている商品を、海外の購入者に発送する「 FBA海外配送プログラム」の提供を開始いたします。 プログラムのご利用にあたり、 Amazonでの追加の手数料は一切かからず、 海外配送の設定を有効にするだけで、 世界100以上の国と地域の購入者に商品を販売する可能性が広が ります。
出典:「【重要】新サービス「FBA海外配送プログ
そして、海外発送プログラムのマニュアルに記載されているメリットがこちら。
出典:「FBA海外配送プログラムマニュアル」より
これらの内容をまとめると、海外発送プログラムの主なメリットはこの5つ。
- 海外の100位上の国・地域に発送可能
- 利用に際し、通常の手数料以外の追加手数料は無料
- 納品する際の追加の手続きも不要
- ASIN単位で配送対象国を制限できる
- 世界全域の顧客を販売対象とすれば、売上増が見込める
これだけ読むと「プログラムを利用しない手はない!」という感じに見えますよね。
ですが、物事にはメリットがあれば必ずデメリットも存在するものです。
それでは、今度は海外発送を利用するデメリットについて、書き出してみます。
Amazon海外発送プログラムのデメリット
AmazonFBAで、海外ユーザーを販売対象にした場合、想定されるデメリットとして、このような項目が考えられます。
- 海外に発送した商品の返品・返金に時間が掛かる
- 返品された商品のコンディションが変更になる可能性が高い
- 悪い評価が入った場合、削除してもらえない可能性が高い
※英語が分からない・サポートが大変・電話が掛かってきたら困る、というような「英語できません問題」に関しては、FBA発送商品はAmazonがフルサポートしてくれますので、今回はないものとして除外します。
それでは、デメリットとなる項目について、ひとつずつ見ていきましょう!
海外に発送した商品の返品・返金に時間が掛かる
海外に発送した商品が何らかの理由で返品された場合、商品が戻ってくるまで当然時間が掛かります。
Amazonは、商品が到着してから30日以内は無条件で返品が可能ですが、それは海外配送についても例外ではありません。
セラーセントラル内の海外発送プログラムの設定ページでは、配送日数について、以下の記述があります。
配送スピードは、海外配送(プレミアム)では2~5日程度、海外配送(スタンダード)では5~10日程度、海外配送(エコノミー)では15~32日程度を目安としてください。
出典:Amazonセラーセントラル内「FBA海外配送の設定」設定ページより。
となると、商品代金が確定して振込みされた後にこの返品・返金が生じる訳ですが、これが日本国内対象の販売よりもかなり長く掛かるということなのです。
配送期間が長引けば長引くほど、返金までの時間が長くなりますし、返金までの期間が長くなると、次の商品購入のキャッシュフローが滞る、予定外に在庫が増えてしまう、といったイレギュラーな事態に繋がります。
購入してもらって折角入金されたのに、「やっぱナシになったから返してね!」とマイナス計上されてしまう訳です。しかも、最初の入金から半月~ひと月以上経ってからです。
それがごくたま~にだったら影響も少ないですが、そんなことが頻繁に起これば、「また返品かよ!」というストレスになりますし、次の商品を仕入れるための資金繰りにも影響が出てきてしまいますよね。
そして、返品されることによるデメリットとして出てくるのが、次の項目です。
返品された商品のコンディションが下がる可能性
配送期間が長く掛かる、外国の方々は日本人よりもはるかに商品の扱いが適当である、といったことから、返品商品のコンディションが下がる可能性が高くなります。
例えば、”新品の商品だったのに、外箱が潰れて戻ってきた”というような、「配送中の乱暴な荷物の扱いから生じる問題」もありますし、”非常に良いコンディションだったのに、本の表紙が折れて戻ってきた”というような、「購入者の粗雑な扱いによる問題」もあります。
そもそも、私達日本人は、商品コンディション判断が世界一厳しい国民なんです。
私はフランスに数年滞在していたことがあるので、フランスを例に取りますが、新品を販売している本屋さんでも、多少の折れ曲がり、ホコリをかぶってる、なんてことはごくごくフツウの風景。
その他に、本以外の商品でも外箱が潰れていたり、色あせていたりと、”これって中古じゃないの?”と心配してしまうような商品もたくさん見たことがあります。
日本では外箱に傷や問題が出ると、商品本体に問題がなくてもB級品として扱われますが、フランスでは多少の凹みや傷などは本体の価格には何の影響もありません。
「中身は無事なんだからいいじゃない!」という主張なんですよね。
それ以外にも、日本でも販売されているような有名アクセサリー店でピアスを買った時、右と左で明らかに飾りの形が違うのに、「一体どこが問題なの?あなた細かいわねえ!」と言われてなかなか交換してもらえなかった、というようなこともありました。
私たち日本人と比べると、圧倒的に商品コンディションに関して鷹揚だし、扱いもいい加減。ホントに平然と対応するその様と言ったら、「心臓に毛が生えてるとは正にこのことか!」と感心してしまうほどです(^_^;)
ですので、海外のお客さんは日本人と同じようには商品を扱わない、ということはきちんと認識しておいた方が良いです。
つまり、自分が販売した商品がそのような扱いを受けた上で返送されて来る可能性がある、ということですね。
悪い評価を削除してもらえない可能性
そして3つ目ですが、英語で悪い評価が入った場合に、削除対象とならない可能性が増えます。
なぜかというと、Amazonの評価が削除してもらえるかどうかは、基本的に購入者が入力したコメントで判断されるためです。
日本人の購入者相手でも、「良かった」⇒評価3、「普通」⇒評価2などという評価で泣きを見ているAmazonセラーの声をよく聞きますが、詳細が分からないコメントや、内容が不明瞭なコメントの評価は、削除対象にならないのが現状です。
とはいえ、評価の削除申請が機械判断の時に当たると、そういった短いコメントでも運良く削除してもらえることが何度かありました。
”連休中や深夜の時間帯に申請した方が削除確率が上がる!”なんてウワサを、せどりグループの中で見聞きしたことのある方もいらっしゃると思います。
実際私の経験でも、日本の購入者から入った評価で、「コメント内容が短すぎるし、これはちょっと削除してもらえないんじゃないか…」と思いながら削除申請した評価が、拍子抜けするほど一瞬でサクッと削除してもらえたこともあります。
ですが、海外購入者からの英語コメントは、今まで削除してもらえた試しがありません!
そしてこの”低評価を削除してもらえなかった”という体験が、私たちが海外発送プログラムをオフにする直接の原因となりました。
なぜ削除してもらえないかというのは、実例を読んで頂いたほうが分かりやすいと思うので、私の実体験を見たいただこうと思います。
低評価削除されず⇒海外配送プログラムをOFFに
私たちの書籍専門で販売しているアカウントでは、FBAで海外配送プログラムが自動登録される以前に、海外配送をONにしていました。
その時、海外から何度かセット本を購入してもらえたので、「セット本の注文は海外からも来るんだな~。海外配送もアリだな~。」なんて思っていたんです。
そんなある時、中国のお客さんがセット本を購入してくれました。
メディア化もされてアジアでも人気のある、著名な漫画家さんの文庫本8巻セットです。
キレイな状態だったので、コンディションは「非常に良い」。全巻108円だったので、864円仕入れで2,800円位の値付けにして出品していました。
これが売れた半月ぐらい後に、この購入者からの評価が入ってきたのですが、その評価が「2」で、コメントが “Not good”。
当時は評価の詳細に3つほどアンケート項目が出ていたのですが、こちらも全部 “いいえ”。
購入者からの問い合わせは一切なかったにも関わらず、「問い合わせに対する出品者の対応」についても “いいえ” をつけていることから、明らかに適当につけられた評価でしたが、そんなことは評価削除には無関係。
いくら「予定通り配送されましたか?」が “いいえ” であっても、コメント内にそれを説明する記述がなければ、評価削除の対象になりません。
その “Not good” のコメントが配送に対するものか、商品に対するものなのかが判断出来ない、というのがAmazonの言い分なんです。
結局、その評価の削除判断は、Amazonのカスタマーサポートに回され、何を主張しても、「削除の規定を満たしていないため、評価の削除は出来ません」の一点張りで、ついに削除してもらえることはありませんでした。
そんな訳で、
“海外発送された商品は、意味不明なコメントで低評価が入る可能性がある”
⇒そのようなコメントは削除対象にならない
⇒「そんな面倒な人に買われて評価が下がるくらいなら、もう海外配送はOFFでいいよ!」
という結論に至った訳です。
今回の海外配送自動ONの施行日が過ぎてから、アカウントを確認してみたところ、「海外配送プログラム」の設定はOFFになったままでした。
手動でOFFにした出品者は、自動登録の対象外だったということですね~。当たり前なんですが、勝手にONにされなくて良かった(笑)
Amazon海外発送プログラムのメリット・デメリットまとめ!
ということで、いかがだったでしょうか?
海外配送プログラムをONにした時の出品者にのしかかってくるデメリットについて、ご理解頂けたでしょうか?
それでは、今回の内容をまとめておきます。
【Amazon海外発送プログラムのメリット】
- 海外100位上の国に発送が可能
- 追加手数料無料
- 納品時の追加手続き不要
- ASIN単位で配送対象国を制限可能
- 簡単に売上増が見込める
【Amazon海外発送プログラムのデメリット】
- 返品された場合、返金までのタイムラグが長い
- 返品された商品のコンディションが下がる可能性がある
- 悪い評価が入った場合、削除対象にならない可能性が高い
このような経緯がありましたので、海外配送プログラムをOFFにしていた我が家でしたが、今回の全面実施に際して、とある設定を掛けた上でプログラムをONにする、という結論に至りました。
その設定方法に関しては、次の記事で詳しく解説しました。
また、メディア商品販売者の方にとっては、今回の記事で書いていない重要なデメリットが、実はもう一つあるんです!そのことについても解説していますので、必ずチェックしておいてくださいね。
それでは、以上になります。
今回の記事が、Amazonセラーとして日々頑張っているあなたのお役に立てば幸いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。(^^)/
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